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注文建築時のプロセスと注意点(2)

建築家と上手につき合う秘訣は?

ほしい要素を整理、具体的に伝えたら後は任せるのがコツ

建築家とのつき合い方に、マニュアルはありません。建築家は個人として仕事をしているからです。仕事のつき合いというよりも、依頼主と建築家のプライベートなつき合いといった雰囲気が強くなります。そういう意味では、お互いの相性は大切です。あまりにウマの合わない人には頼まないほうがいいでしょう。

建築家とつき合うポイントを強いて挙げるならば、ある程度は建築家に任せるという姿勢を持つことでしょうか。建築家は設計を生業としているプロです。建物のデザインや間取りには個性が色濃く表れますし、それがこだわりでもあります。ところが、依頼する側が、あまりに設計の専門領域にまで口を出しすぎると、建築家としては仕事がしづらくなります。

設計を依頼するときには、建築家の個性を認め、ある程度はプロに任せるという気持ちが大切です。  任せるといっても、建築家がどんなものをつくるかが見えないとなかなか安心できません。そこで、最初にその建築家がそれまでにつくった住宅を見学させてもらうといいでしょう。建築家の設計は一品生産で、一つひとつが違いますが、共通した雰囲気なりイメージは十分につかめます。現物を目にすると建築家個人の人柄もよりはっきり見えてきて、つき合い方もわかってくるでしょう。

土地を知ってもらい生活の中身は隠さずに話す

設計に入る前に、建築家には土地に関する情報をきちんと把握してもらいましょう。その別荘地で家を設計するのは初めてという建築家は多いはずです。寒冷地には積雪や凍結といった問題があるでしょう。くぼ地の土地ならば湿気対策を考えてもらわなければなりません。必要があれば、別荘地のある役所に足を運んでもらい、どんな立地なのかをしっかりと把握してもらうべきです。

具体的な設計に入ったら、依頼主としては、自分に関する情報をしっかりと建築家に伝えることが不可欠です。建築家は、まず依頼主個人を理解しようとします。人となり、好み、思想、生活スタイルなどを把握してからでないと、その人にぴったりの設計はできません。なかには、照れくさいことや話しにくいプライベートなこと、頼みにくい希望もあると思います。しかし、そういった核心を隠したままでいると、建築家は知らずに設計を進めてしまいます。あとで「こうしたかった」という後悔を残すことになりかねません。

言葉では伝えにくいことはたくさんあります。ですから、日常の生活パターンや趣味、考えなどをメモにまとめて建築家に渡すと、自分に関する情報や希望を的確に建築家に伝えられるでしょう。

設計料の目安は工事費の10%。出張費負担の交渉も

建築家は設計が仕事ですから、彼らには「設計料」を支払うことになります。その額は建築家によってまちまちですが、工事費の10%前後が目安です。

建築家の事務所と別荘地が遠く離れた場合には、現場に通ってもらう出張費の打ち合わせもしなければなりません。出張費には交通費と時間的な拘束による手間賃がありますが、どこまで依頼主が負担するかはケースバイケースです。

一般には、交通費は依頼主の負担です。手間賃については、設計費に含む建築家もいれば、別途請求する建築家もいます。あとになって、支払い金額を巡るトラブルが起きることもままあるので、最初に交通費と手間賃の負担について相談しておきましょう。

金額のことも含めて、設計段階で打ち合わせをした内容は、メモとして残しておくべきです。相手を信用しないという意味ではなく、トラブルの芽を絶つのが目的です。

資金調達と支払いはどこに注意?

ローンの手続きは一般に建築家には任せられない

住宅メーカーや建築家には、まず自分の予算を示さないと設計が始まりません。そこで、予算をはじき出すことになります。

ふつう予算とは、手持ちの資金と、金融機関などから借り入れられる金額とを足した額です。借り入れには、住宅金融公庫をはじめとする公的融資と民間融資があります。公庫の「住まいひろがり特別融資」は、別荘購入に有利です。融資制度には、それぞれに条件があるので、事前に綿密に調べて予算を計算してください。

住宅メーカーでは、予算の組み合わせから返済計画まで計算してくれることが多いようです。一方、建築家に設計を頼む場合は、自分で資金計画を練らなければなりません。建築家には、融資制度に精通している人もいれば、資金に関する知識には乏しい人もいます。これは設計の腕とはまったく関係はありません。それに、融資制度に詳しい人であっても、一般に依頼主の資金計画にはかかわらないことが多いようです。

建売別荘の場合は分譲会社がローン手続きを代行したり、提携ローンを用意している例もあります。

予算オーバーを避けるには?

狭い道路への搬入急傾斜地の基礎は予算を多めに組む

予算オーバーが最初に発覚するのは、設計を終えて工事費の見積もりが出てきたときです。その原因には、工事費の読み違いと、仕上げなどのグレードが高すぎたことの2点が考えられます。

工事費の読み違いでよくあるのは、土地の立地と基礎に関するものです。立地については、道路幅が原因になることがあります。たとえば、4m程度の道路に面した土地に、ログハウスを建てようとしても、ログ材を満載した大型トラックは、土地の前まで来られません。どこか途中に資材置き場を借りて、小型トラックに資材を積み替えることになります。工事の手間が増えるので、建築会社によってはその手間賃を工事費に上乗せします。土地までの経路をチェックして、事前に搬入手間を検討しておけば、この予算オーバーは防げます。

建物の基礎も重要です。平坦地ならば200万円でも、急傾斜地では1000万円近くかかるほど基礎工事費には幅があります。軟弱地盤の強化に予想外の出費が伴うこともあります。その土地にはどんな基礎が必要でいくらかかるのかを、最初に住宅メーカーや建築家に見定めてもらえば、大きなズレは生じないはずです。

立地や基礎に関する予算オーバーは、あとからの減額がとても難しいので、事前にできるだけ正確な額を見定めておくべきです。

夢がふくらんでのグレードアップも予算オーバーの原因

設計が進むにつれて、だれでも夢がふくらんでくるものです。しかし、ここに予算オーバーの落とし穴が仕掛けられています。円弧状の壁のような工事が難しい複雑な間取りにしたり、華美な設備や仕上げを望んだ結果、予算をはるかに超えた見積もりが出てくることは少なくありません。

間取りに関する予算オーバーは、設計を根本から変更することになるので、けっこうな手間と時間がかかります。もちろん建築家は予算をにらみながら設計をするので、間取りに関して予算が大幅にオーバーすることはめったにありません。むしろ多いのは、設備や仕上げによる予算オーバー。しかし、これはグレードを落としていけばすむので調整しやすい部分です。

工事契約後の間取り変更は極力避ける

工事に入って建物の姿形が見えてくると、また夢はふくらんできます。その段階で、もしも設計を変更したいと言い出すと、ここでも予算オーバーを招きます。すでに見積もりを終えて、工事契約を結んだ後の変更は難しくなります。

間取りの変更のように、建物の構造そのものに手を加えるのは、工事の進み具合にもよりますが、まず受け入れられないものと心得ておくべきです。たとえ変更が認められたところで、かなりの費用負担を強いられます。

設備のような建物に付け足すものは、比較的変更が簡単です。ただし、取り換える商品との差額や、場合によっては新たに購入する費用の全額が求められます。

工事段階で設計変更をしたくなる原因には、設計段階での詰めの甘さも考えられます。設計時にはっきりと自分の希望や生活スタイルを伝えずにいて、形が見えてきたときに初めて希望に合っていないことに気づいて変更したくなってしまうのです。希望との食い違いに、工事に入ってから気づくことのないよう、設計段階では密度の濃い打ち合わせをしてください。